青翔開智中学・高等学校研究授業 横井司朗理事長とともに

 

10月7日(金)
福山から車で3時間、鳥取市の青翔開智中高に向かう。

<横井司朗理事長と昼食>
お昼ご飯を、横井司朗理事長と共にする。そこで、横井さんが日頃から大切に感じているお話をお聴きする。

そもそも、横井さん自身のスタートが、3名の不登校生徒たちへの対応が始まりであった事に対する熱い思いであった。
この思いが、幼稚園、探究学童、青翔開智中高、あすなろ予備校、クラークの全てに及んでいることを改めて実感する。
理事長の思いが、形としてさまざまなところに息づいているのを感じる。

今年の夏に「探究学童 Gku Doon」を開校し立ち上げた。
「学童」は、厚生労働省管轄で、「教えること」をやれば補助金が出ない。
それを子どもたちに探究の重要性を伝えるために、さまざまな視点でアプローチを開始しており、
補助金はいらないということに踏み込んでいる。その根底にある覚悟に感服する。

横井理事長は、「常に試行錯誤を続ける、発展途上の学校であればいい。」と言い切る。
この観点と覚悟を明確に示されると気持ちがいい。

<研究授業開始>
今日の研究授業は、3年ぶりに公開された。青翔開智の人気は当日来られた先生方が、日本全国から来られていることからも窺える。
私は、横井さんから「◯月◯日から申込み開始されるので、早めに申し込みを」と言われていたので、余裕で入ることができた。
その後、教科別に分かれて授業見学を行い、最後に振り返り会を授業を観た先生方とともに行うという流れであった。
途中に他の授業も観れるということだったが、なかなか難しかった。
中2英語の三浦先生(英語で論理的に作品を説明する力を身につける)や
中1理科の松永先生(批判的思考でより良い修正ができるようになる実践)が知り合いだったので観たかったのではあるが・・・

<実際の研究授業参観>
私が入った授業は、高1歴史総合 池田先生(多角的な情報を整理・比較し物事を判断できるようにになる「明治維新は革命か」)であった。
池田先生は、かなり緊張されていたようであった。
まず、素晴らしかったのは、生徒たちが行うワークシートの作りである。
自分達が調べた明治維新・フランス革命・アメリカ独立・イギリスの革命ことを分析・比較できる工夫が随所に見られる。
「他の革命担当者を共有し比較する」という回であったようだ。生徒たちが対話している様子を伺う。なんだかグループによってかなり進捗がバラバラな様子も垣間見える。
その中で比較的対話・質問が活発に出ているグループの様子を中心に見る。生徒たちは、ワークシートに即して話を進めていく。池田先生は、時々のポイントを述べられている。
ただやや、自分がまとめたところを発表者が述べていく間に、各自のシートに記入していないところに、聞き取って埋めていくという作業に近い感じも見られた。
目的は、その事実の知識の共有にはあったと思われるが、黙々と埋めていく部分もかなり見られた。質問が互いに出てくるところはとても良いと感じた。
あとは、どこまでできたら素晴らしいという観点「ルーブリック」の内容について、個人や互いが認識・評価する場面がもっとあっても良かったかもしれない。

<振り返りの会>
明治維新・フランス革命・アメリカ独立・イギリスの革命との比較・共有を目的とはしていたと思ったが、時間が足りていない印象は拭えなかった。
それを会の前に最初に伝えると池田先生も、「自分でも欲張りすぎたと思っている」と言われていた。
明治維新・フランス革命に絞り実施しても良かったかもしれない。そこでの考えや情報・考え方を次にアメリカ・イギリスともやるという感じで展開するのが良いと感じた。
ただし、後、授業は1回を残すのみであったことからすると、そこで一気に全てというわけにもいかない。
生徒が、「じゃあ今日学んだことを振り返ろう」なるような仕掛け・問いかけ、自分で今日の応用を考える時間の創出が不可欠だったかもしれない。
今日の授業を見ていて一番感じたのは、情報を整理・分析する上でも、生徒がさまざまな視点を提示しやすいような「本質的な問い」が前提として必要だったかもしれないと感じた。
ただ、池田先生の素晴らしいところは、参加の先生方からのツッコミに対しても、反省と次にどう活かすかを考える指向性とパワーがすごくあるという点だった。
「常に試行錯誤していく学校」という横井さんの言葉にあるようなことを実際に行動されている。改善していこうという姿勢こそが、生徒の成長とより良い授業、より良い学校を生み出す原点だと感じた。

<終了後>
希望者は、校舎見学や説明を受ける時間も設けられていたが、私は、前回来校した時に横井さんに案内してもらっており、
その際、校舎の細部にある横井さんの思いに触れていた。また、探究部の部長田村先生に探究に関する説明を受けていたので、横井さんにお別れを言って校舎を後にした。

そしてその夜にある、次の岡山県西粟倉村の探究をやっているネスト・むLABO、保護者、役場の人が集まる会場での講演に向かったのである。

楽しいひとときを過ごさせていただいた。

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