同志社中学校訪問(12月11日)

奈良女子大で出会った、同志社中学の青木先生を訪問する。京都駅から地下鉄で、国際会館駅を出ると、目の前が同志社小学校・中学校・高校であった。ちょうど真ん中にある、中学校を訪問。バラバラだった小中高を一か所に集めたという作りだった。建物は統一され、綺麗な印象。まず、驚いたのがクラスの教室がない。各教科別の教室があり、生徒たちは道具を持って自分が習う教科の教室に向かい授業を受けるのだ。ただ、廊下の一角にロッカーがありリラックスできるスペースがあり、そこがホームクラスのメンバーが集まるところとなっていた。また、教科別の展示スペースが設けられていて、カバの剥製等が置いてあるところもあった。歴史を感じるスペースである。溝上慎一先生の本で見た、美術を主体的に考え、学ぶをやられている橋本先生が新しい試みをやられているということで、お会いしたいと申し出ていたら、時間をたっぷり取っていただけた。そのほかにも、沼田教頭先生、技術科の外村先生、数学科の園田先生とたくさんの方々とお話ができた。実に楽しい時間であった。

ここで感じたことは、中学の先生方が次々とチャレンジを繰り返していること。一人ひとりの生徒にレッテルを貼ることなく様々なありように対応されようとしていること(青木先生が飼っている人懐っこい犬、スーも大きな働きをしている・・・動物介在教育)。自分が感じている、思っていることにヒントを求めているということ。チャレンジに対する不安を抱きつつ、生徒が変わっていくことへの楽しみを生徒と共に教員が味わっていることだと感じた。また、地域(岩倉)の方々とのつながりに対する、チャレンジも大きな動きを生み出しつつある。この中学の動きが、他の学年に良い影響を及ぼせる可能性を感じた。学校とは何で、勉強とは何で、どのような価値観をその学校が生み出せるか、それこそが今問われていると感じさせてくれた。

教員が熱い思いを持って、自分が企画する科目の中でさえ、それを共有して一緒に考える人が同じ科目でいれば、もっと柔軟にしかもやりがいを感じられる環境はできる。しかし、その環境がないことを嘆くのではなく、同じ思いを持つ他の科目の教員と科目を超えて、テーマや課題の出し方を変えれば、より多くの効果が生み出せると思う。一つのことを勉強するにもいろんな科目からのアプローチがあることで、生徒が見えるものも変わってくる。そんな視点の違いを学校組織としてバックアップできるようになれば、この時代大きな価値を学校として必ず生み出せると思う。即ち、生徒がある科目を学んでいても、地理や美術や数学や技術に関係するものがあるということを、生徒が理解することで今までなかったこと、見えなかったものを推測し創り出すことが、可能となるからである。生徒に視点を与えることが、自分自身そのものや、自分の進路、生き方を見つける糧となるからである。

同志社中学の技術・美術の両教員は、各科目への波及力を何らかの形で及ぼすことができる人たちだと感じた。感性と感性のぶつかり合いそのものの美術から、美術と技術が合わさって、子供たちが完成度の高いものを作りそこで何を表現すればよいか、表現するためにどのようなことを学べば、それが可能となるか。各教科と連携して作り上げることができれば、そこに探求の芽が必ず生まれるところに行き着けるだろう。

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