OECD-東日本大震災「あれから。これから、」に参加して

OECD全面バックアップで、大学生・高校生・中学生が主体となって、3月13日14日に実施された「OECD-福島大学東日本大震災あれから。これから、」に参加した。学生・企業・教員・OECD海外からの参加まであった。二日間であったこの会の運営は、学生が中心で、各所にブレイクアウトルームが、設けられ、さまざまな教育問題を議論することができた。運営している生徒たちは、さまざまなことにチャレンジして、さまざまな人と交流し、さまざまな人と協力してイベントを作り上げていた。そういう意味で素晴らしい企画であった。東日本大震災を契機として、それを受け止め、その上で自分たちはどんな未来を作り上げるかを必死に模索する!という意思にみなぎった二日間であった。

ブレイクアウトルームの中で、保育園で働いているという方が、「園児に対して常に本人の興味関心を喚起し、探究できるように声をかけ、環境を作っていて、同僚とどうすればそれができるかと日々話し合っているが、これが小学校→中学校→高校とだんだんと薄くなっていっている気がする。」と言われていた。「子供を縛る感じが強くなり・・生徒がだんだん萎縮してきている」とも。また、ある高校生は、「僕たちは人前で自分の意見を堂々と述べる体験を積んできていないので喋れない」とも呟いていた。確かに体制としても、校則でも、単に大人の管理がしやすい仕組みが先行している節がある。最近の制服問題もその一つの象徴とも言える。学年別、一斉授業による知識の習得、それを静かに聴いていることがいい子と言われる現実が「限界」として目の前に現れている。落ちこぼれている子が教室のあちこちに散見する現状。まさに「学校はどんな場所なのか」という問いが、大きく迫って来ている。もちろん先人が作り上げて来たことを、知り・理解していくことは必要である。しかし、それがその子のどんな場面で、やりたいことをやろうとする中でのことか。どんな風に作用する実感が本人にある上で、さまざまな事象に向き合うことを経験することが大切である。そこで初めて「あーーこれはこういうことだったのか」と気づき、「更にこんな風にできるようにするには、本を読んだり、本物の人と話したり調べてみよう。」と繋がっていくことが、人が学んでいく,上で、しごく自然なことであるし、楽しいはずである。今は、そこに気づかないふりをしているのかのようにも思われるが、気づかないふりというより、どうすればいいのかわからないのかもしれない。一人一人の教員でだけでは、限界があるし、そもそも教員がそれぞれで考えて然るべきだ、という風に片付けてしまうこと自体がおかしい。例えば、学校全体として、生徒が成長するためにという目的をメインに位置付け、そのためのやり方を教員同士で、生徒を成長させるためには、どんなことをしたらいいかを「こうしてみよう。」「こういうやり方をみんなでやってみて、まずかったらみんなで話して修正案を考えよう」というような話・議論ができるといい。「学校は、間違えたり、失敗したりできるところなんだ。大人でさえも試行錯誤をしながらそれをみんなで共有してさらに良い形を、みんなで作り上げようという動きをしているんだ。先生たちも君たちとおんなじさ。そのために毎日、考え議論し何が最良なのかに向かって挑戦している。」という姿勢や声かけを行い、そんな環境を大人が先に作るべきではないだろうか。そのためには、「高校になったら、習得内容の量と質が上がり、変に時間をかけていては、受験に間に合わない」などというような言い訳は通用しない。言い訳なんかしている時間はない。こう考えていけば、自ずと教員の時間の使い方、優先順位も変わらざるを得ないだろう。教員も日頃から勉強する時間も増えるだろう(教員の読書量の少なさのデータは、さまざまなところで話題になっている)。

また、議論の中では、「上記のような取り組みをするためのお金の配分も変えて欲しい。」という意見が高校教員から出てきた。即ち、「今教科書を配布するお金を国が出しているが、それを学校がそれぞれの改革をするために学校ごとに出してほしい」ということである。実際、教科書を会社ごとに色々みても、似たり寄ったりだったり帯に短し襷に長しで、結局、別の教材も混ぜて使わざるおえないような現実がある。であれば、(オランダのように)さまざまな教材をあらかじめ用意しておいて、そこから生徒が成長できるような教材を準備したいというのである。それなのに一律に、教科書を購入するためにだけお金をかけるのはお金の掛け方としては確かに考えるべきであろう。

 

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