公益財団法人 国際フォーラム 東京事務所を訪れて(パフォーマンス合宿inひろしま)

先月、8月6日広島の呉で行われた、「パフォーマンス合宿inひろしま」の発表会に招待され行ってきた。
【8月6日当日】
3泊4日で高校生たちが仕上げた、演劇とダンスのショウ。
かなりの完成度を持っており、知らないもの同士が集まって4日で仕上げたとは思えない出来であった。
特にその中にある生徒たちのモノローグが、なかなか良かった(I am from)。
自分を見つめて、互いに自己開示とも言えるものであった。
もともとアメリカのプログラムらしいが、かなり計算されているところが窺えた。

終了後
生徒たちが感想を述べる時間があったが、一様に「楽しかった」と生き生き答えていた。
お互い何も知らない高校生たち、その半数は、海外にルーツを持つ子達である。
違う文化背景の中でさまざまな思いを抱えて日本の学校に通う子達である。
彼らは学校では、「日本人であらねば」と自分自身を抑えて
日々「学校」で生きている子もいるらしい。
そんな子たちが一瞬で仲良くなるパフォーマンス合宿inひろしま。
「自分は自分のままでいいんだ」ということを認識できる4日間になっている。

そこには、ファシリテーターと呼ばれる存在が大きい。
ダンスのプロや、演劇のプロがファシリテーターとして付き添うのだが、決して教え込むことはしない。
勿論自分たちの技術を教えたくなるらしいが、そこはグッと堪えて子供たちが自主的に作り上げるのを待つらしい。
もちろん求められればアドバイスはするが、決めるのは、全て生徒たちである。ダンスの振り付けも、セリフも演技もである。

この活動を地方で行い始めたとのこと
その最初が広島で行うことになった。
昨年は、安芸高田市、今年は呉市、来年は福山市で行いたいと考えておられた。
そこで、一緒にやりませんかと言う申し出を受けた。
福山市で、このイベントの後援をされている方からの思いを伺うと、
「日本の少子化が進む地方都市においては、外国にルーツを持つ子たちの受け入れや、
外国人の子どもたちも積極的に受け入れていくしか地方都市に生き残る道はない」と言われ
そこには、大きな危機感を窺うことができた。納得である。

今のうちから、外国人(この区別もあやふやではあるが)と対等に、
即ち、異文化で過ごしてきた子達同士が協働しあって何かを作り出すことを練習しておく意義は大いにある。
これから30年後には確実にそういう世の中はやってくるのであるから。
そうして日本が外国人が移住したい国NO.1になっていくこと。
その上で大人たちが今からそれを積極的にこうした環境を受け入れ、促進していくことは、不可欠だと思われる。

【8月22日】
しかし、こうした趣旨は納得したものの
この「公益財団法人 国際フォーラム」とは何なのか?まだよくわかっていない。
当日、事務局長の鈴木律子さんとシニアプログラムオフィサーの長江春子さんと話すものの見えなかった。
そこで、大日向中学校・小学校に行って、その後東京入りした22日午後、文京区音羽にある事務所を訪問することにした。
午前中神田外語大学の朴先生と教養について打ち合わせを行った後出かける。

そこは、護国寺の駅を地上に上がった所にある「講談社」の建物がある通りであった。・・・・懐かしい。そんな思いが湧いてきた。

それは、
10年以上前、私が「商品サービス開発部」に赴任し東京で働いているころ、
都内の35校の中高一貫校を炎天下の中、当時の大井川くんと共に、歩いたことを思い出したのであった。
初めて会う先生方と話を盛り上げ、ニーズや課題がどこにあるかを引き出すためである。
午前中、ある学校に行き、緊張しあまりに暑かったので、今でもあった「上島珈琲」でアイスコーヒーを飲んで休み、
「よし!!午後の学校に向かうぞ!」と再び炎天下の中、講談社の前を歩いていたら、
相棒の大井川くんが、「これって、修行みたいですね・・・」と呟いていたのを思い出したのである。

その思い出の通りには、光文社があり、道路を挟んだ向かい側に講談社側に目指すべき国際フォーラムがあった。

到着すると、鈴木律子事務局長と、長江春子さんが待ってくれていた。
長江さんは、リモートワークの予定だったそうだが、私がくると言うことで、出社してくれていた。

公益財団法人 国際フォーラムは、殆ど講談社が出資して成り立っている団体であった。
鈴木事務局長が「杉並区の井荻小学校と学校支援本部「いおぎ丸」については、
お声がけいただけましたら、現場と関係者にお会いしていただける機会を作りたいと思います。」
と言っていただけた。

長江春子さんは、中国人と日本人との間に生まれた中国残留邦人である。
「このことを話し始めると更に3時間以上かかる。」と言われ、
その場で長江さんが書いた本「小春のあしあと」を勧められて、その場でポッチとAmazonで購入。

福山に帰って届いた本を読み終わると、なぜ長江さんが今の仕事をしているかがよくわかったのと
自分自身のことを綴った長江さん自身の(I am from)のようだった。
日本人って何?中国人って何?自分は何者?がひしひしと伝わってくる。
国籍と言語って?文化って?を考えさせられた。

あっという間に、3時間が過ぎてしまい、話が様々盛り上がった。
私が、「語学表現としての日本語をもっと明確に学校で意識してほしい。」
「国語とは区別した日本語という形で」
「その上で、日本語と英語の比較を意識した授業をテーマにして欲しいと思っているんです」というと
早速、鈴木さんが、「『言語技術』本当に必要ですよね」「まあ、国語とした理由が背後にはありますけど・・・」
「「言語技術」については、つくば言語技術教育研究所をご参考になさってください。」
https://www.laitjp.com/research_and_development.html
「広島県教育委員会も実践導入なさっているみたいですが・・・」
とのお答え
本当に面白かった。

良い出会いができたなと強く感じた。

鈴木さんには「久田さんの情熱がずんずんと響いてきました。」
長江さんには、「いつも教育のことを真剣に考えていらっしゃる久田さん」
と言っていたき、会いに行ってよかったと感じたひと時であった。

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