AL型授業研究会えひめ 京大、西岡加名恵先生と「本質的な問い」について考えた

6月25日(土)暑くてジメジメして、雨が降ったり止んだりの日

【再会】
愛媛県松山市で、愛媛の先生方と、「資質・能力」を育成するパフォーマンス評価・・・と題して
京都大学大学院教育学研究科 西岡加名恵教授による講義と、ワークショップが行われ参加した。
開始1時間前に行って、1Fのロビーで待っていると、そこに西岡先生はじめ、愛光の松下先生、寺崎先生もおられた。
西岡先生とは、オンラインで何度もお会いしていたが、実際にお目にかかるのは初めてである。
互いに「何度かオンラインでお会いし、お話ししていましたが、やっと会えましたね。変な感じですよね」と、再会を喜んだ。
同様に上の写真の愛光の松下さん、寺崎さん、ともオンラインばかりであったので、久しぶりの再会を喜び合った。

そして開場。済美平成の三好さんを加えて4人で会場設営から一緒に行う。机の配置を行い、部屋の換気、冷房を入れ、ホワイトボードをセッティング、マイクのテストをしたりしていたら、あっという間の開始となった。

【本番開始】
西岡先生のお話は、予習して行った中で、考えていたものを、直に聞けるということは、やはり楽しかった。
お話の中で印象的だったのは、まず
1)逆向き設計
①求められている目標を明確にする
②承認できる評価方法を決定する
③学習経験と指導を計画する
①=修了時をイメージする。(勿論、学校の共有ビジョン(教育目標)と同じ目標を目指してということができれば尚いい)
②=指導の前に評価方法を計画する
指導を行なって評価を考えるのではなく、その前に目標を明確に認識して、評価方法を考えた上で学習経験と指導を計画するのである。
このことは、ハイテックハイの評価設定、テーマ設定にも通じるものがある。
また、最近言われている観点別(1:知識・技能、2:思考力・判断力・表現力、3:主体的に学習に取り組む態度)評価にもつながることである。
1:の知識・技能においては、チェックテスト(到達レベルの量)、
2:思考力・判断力・表現力については、ルーブリック(到達レベルの質)を考えていくのであるが、
3:主体的に学習に取り組む態度は、観点として考えなくてもいいし、全ての項目において、3つの観点別を全て考え評価する必要もない。と言われた。
この3の部分については、非常に納得である。なぜなら、まず、3つ目の「態度」を観点としてみると言っても、どのような「本質的な問い」かけの中に、生徒を惹きつけ、考えさせる内容が含まれていれば、自ずとその態度は作られていくからだ。
次に
2)学力評価の方法
まず「学力」という点については、定義が様々だが、「知識やスキルを使いこなす力」・・・という前提で、
学習評価の様々な方法をその単純⇄複雑を縦軸に、筆記⇄実演を横軸に分類している形は分かりやすい。
複雑性を持つプロジェクトの評価・・・ここでは、システム思考が要求される
ここで、実演的で、複雑なものとしての・・・「パフォーマンス評価」に話が移っていく。
「パフォーマンス評価」:知識やスキルを使いこなすことを求めるような(学力)評価方法
そこで、最初に出てくるのが、
「パフォーマンス課題」:様々な知識やスキルを統合して使いこなすことを求めるような、複雑な課題。
(具体的には論説文やレポート、展示物といった完成作品やスピーチやプレゼンテーション、実験の実施といった実演を評価する課題。)
そこで次に
「教科におけるパフォーマンス課題」の具体的な作り方を考えるワークショップが始まる。そのワークシートには、
①教科書を開きその目次を見る。
②教科の、どの単元を選ぶかを考える(どの単元だったら「本質的な問い」が立てやすいかを考える)
③課題の概要を(〇〇しよう)書く
そしていよいよ
④「本質的な問い」を考え書く(※包括的などの単元にも当てはまる「本質的な問い」には◎。※その単元における「本質的な問い」には◯を記入)
⑤その隣に、「永続的に生徒に理解してほしいこと」を書く
⑥そして、最後にパフォーマンス課題を、現実に即したシナリオを書く。(目的・役割・相手・状況・作品・観点)を箇条書きにしてつなげた物語を作り問いを作る。
  例:あなたは、ある自動車会社の海外事業展開部のチームの一員です。あなたの会社では、電気自動車(EVあるいはPHEV)の生産、販売において、海外進出を計画しています。
   (様々な物理的条件を踏まえつつ)どこの国に事業展開していくかを提案ください。
【最大の山 本質的問い】
★ここで参加の皆さんが、一番難航していたのは、「本質的問い」の作成である。
「包括的な本質的な問い」とは、教科のどこにでも当てはまる本質的な問い。
それと同時にその単元のみに出てくる「本質的な問い」の両方を考えるのである。
その際、単元における「本質的問い」は、全単元になくてはならないものではない。よって、その本質が見える単元を選べばいいのである。
これを一旦自分で考え、それを同じ教科で話し合う。そこでは「これかなあ?」「違うかなあ?」ということをみんなで考えていくことが重要であると感じた。
その上で、
★生徒に何を(その単元の詳細は忘れても)何を残したいかまで考え、しゃべり、書くのである。
即ち、生徒の中にいつまでも残るような問い(テーマ)を設定していくのである。
この試行錯誤こそが、新しい学びを生み出していく事になる。(ここで、若狭高校にいた渡邉先生が国語科で毎日5分〜30分行っていたミーティングのことを思い出した。・・・まさにこれだったんだなあと)
【ブルームの分類学】では、6つの問いがある。
1)から6)をつなぐ問いにより、実質的な学び
1)「記憶」ベースの問い→情報を記憶する。情報を思い出す。
2)「理解」ベースの問い→内容を解釈したり、言い換えたり、説明したり、押し測ったりする。
3)「応用」ベースの問い→知識を一つの状況から別の状況に移すことができる。
ここまでは今までも行われてきていたが、これから先が教員たちが経験していない。
4)「分析」ベースの問い→全体の中の部分を見つけたり、区分けしたりできる。多角的な視点で公正に情報を扱うことができる。
5)「評価」ベースの問い→アイデアの妥当性、情報の使いみち、成果物の価値などを一定の基準を使って判断する。
6)「創造」ベースの問い→部分を組み合わせて新たなものを創り出せる
この6)までいくとかなり哲学的な問いまで出てくる。
この「本質的な問い」
をそれぞれの教員が考え、同じ教科の教員同士で対話し考えを深めると、次第にこの発想ができるようになる。この大きな山さえ乗り越えさえすれば、それはきっと当たり前の発想として生まれてきて、必ず次のステージが訪れる。
しかもここが学校の共有ビジョンと繋がっていれば、必ず学校は、組織的に学び発展し続ける基本を身につける事になる。・・・・そんなことを実感できた会となった。これを教員同士が共に楽しんでやれる学校が増えると、日本の教育も変われると感じた。
【観点別評価で考えることの一つとしての、「主体的に学習に取り組む態度」の評価について】
これは、やるとしたら生徒に自己評価させれば良いのではないかと考える。しかも、今回出てきた「本質的な問い」をどう作り投げかけられているかで、自ずと生徒は、「前のめりになってくる」。よって、この「態度に関する生徒の自己評価」は、生徒の成績には考慮せず、教員の問いが妥当かどうかの一つの表は基準にしていけばいいと思う。即ち、教員のための振り返りに使えばいい。教員の「本質的問いの質」が生徒の評価で見えるのである。だから教員は、これを一人でやってはいけない。教員同士が協働して作成し試行錯誤して、その結果、生徒の自己評価が上がれば、教員みんなで喜び合えばいいのだ。
【温泉地での振り返り】
この晩は、松山の道後に泊まり、本館は、いっぱいで札止めだったので、急遽写真の「椿の湯」に行き、「多くのことを学び、充実した1日を過ごせた」ことを、湯煙の中で、湯に浸かりながら噛み締めた。宿に帰り道後ビールをいただきながらの振り返り時間をメモを見ながら過ごした。
無茶苦茶楽しく、勉強になる会であったことがさらに充実した1日の締めとして最高のひとときであった。。関わっていただいた皆さん本当にありがとうございました!
https://www.facebook.com/yoshitaka.hisata

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