自分が得意なものは何?好きなものは何?その見つけ方(森岡毅さん、龍岡歩さん)

先日、テレビでUSJ、丸亀製麺のV字回復を成し遂げた森岡毅さんと、Jリーグの戦略担当となった龍岡歩さんの番組を見た。共通に感じたのは、自分の強みを徹底すると、道は開かれるということである。

【森岡毅さん】

「熱い想いがないと人はついてこないが、冷静な客観性・論理性がないと道を間違う」というセリフも心に残ったが、一番心に残ったのは、最後に言われてた「人の興味を持つこと得意なことは、動詞にある」である。自分も同じことをやってきたなあと感じた。

それは、20年以上前の話だが、学校で進学校でも行われていない「自分を見つめる」ということがやられていないということに気が付き、「何をしたらいいかわからない」という生徒が多すぎたということに起因する。

そこで、どういうことをするかというと
①コレはいいなぁと思うか、
②コレは充実感を感じるか
③コレって面白い・素敵だなぁと思うか
を箇条書きに50個書いてきてというものである。ここで、「名詞」じゃないよ「動詞」で書くんだよ!と言っていた。そうでないとバナナ・イチゴ・りんご・温泉・サッカーと書いてくるからである(笑)1時間あげると、25個書けるのがせいぜいである。宿題にして、50個書こうとすると、生徒は、自分はどういうことに興味があるんだろう、自分ってどんな人間かを自分に問い続ける時間を持つことになる。そこで問いかけた時に、思った感じたことを様々な表現・言葉で現してくる。

それを見ながら、面談をするわけである。
こちらは、「コレはどういう事?」「具体的にいうとどんなこと?」「そのどんなところがいいなぁと思うの?」と聞いていくだけである。そこで相手が言ったこと、相手の関心の中心をメモしていく。
終わった後、そのメモを見ながら「君はこんなことに興味・関心が強いようだね」というと
生徒は、「はい!」という。なぜなら、全て生徒自身が言ったことだからである。
その上で、「それなら学部は、〇〇か、〇〇だよ。これを調べてみよう!」「調べてみて、君が考えたことをまた、教えてね」というと次回自ずと学部が決まってくる。
その上で、「その学部を、北海道から琉球まで大学を調べてみよう」と伝える。
すると次回「このA大学では、こういうことをしてましたが、B大学では、更にこんなこともしていました。C大学は、こんなことをしてましたが、B大学では更にこんなことをしていました。D大学では、こんなことをしていましたが、B大学では、こんなこともあり面白そうでした。」と言った。
そこで「なんだか君は、B大学に行きたいと思ってない?」と聞くと、
生徒は「私もそう思います」と言う。
 
こうして「学部」→「大学」が決まった子は、すごいモチベーションを発揮し成績も伸びる。
最初にこれを行った子は、結局、東大を選んだのであるが、成績は伸びたものの不合格で浪人することになった。
その後、生徒が挨拶にきたので、「来年も東大か?」と聞くと、「はい」というので、「受かるとは限らないぞ」というと、
「はい、分かっています。でも私は自分が何をすればいいかは、ハッキリしています。それをやるだけです。」と言った。
なんだかとても嬉しくなった。・・・・当然、翌年合格を果たした。
 
自分に問いかけ感じたこと、思ったことを、誰かに聞いてもらい、自分がどういうことをする中に、自分が得意なもの好きなものの端緒を見つけて更に伸ばすために大学に行き、社会に出てもそれが役に立つということができる。即ち、それぞれの人が持つ「得意」を持ちより協力して大きな課題も解決できるようになって欲しい。・・・・と切に思うのである。これを、中学からそれを見つけることができれば、高1の終わりに文理分けの際に、「数学が嫌いだから文系」というような「選択」はしなくなるのである。
 
【龍岡歩さん】
こちらは、上記の自分の「好き」を徹底してやり続けたことから、自分の道を切り開いた方である。
龍岡さんは、サッカーは、自分はしないがある日見たサッカーの試合の中に「戦略」で試合の結果が大きく変わってくるところを見ることにより衝撃を受け、それを徹底したのである。
ゲームの中に「戦略」があることをが存在することにいち早く気が付き、それからそれを見極めるために、世界中のサーカーの試合を録画できるようにお小遣いを叩いてデッキを揃え、何度も何度も試合を見て分析が始まったという。
その後、サッカーゲームのそれぞれのキャラクターに自分で特色を入力しセッティングを行い、その上で自分で試合の解説を行っていくということを繰り返す。誰がどういうことができ、それが全体で相手によりどう動くことにより、チームの弱さを補いゲームに勝てることを見出すのである。
その結果なんと、Jリーグの戦略担当として声をかけられる。そして自ら弱いチームに行き、戦略を立てることにより、勝つことで戦略を立てる自分の力を試したいと思うようになったそうである。衝撃的だった試合は、おこしやす京都の戦略担当に入り、格上のサンフレッチェ広島を破ったのである。
 
まさに、自分の好きなことを極めて、自分の居場所と力を発揮できる場所を作った例と言える。同じようなことを「世界一プロゲーマーの仕事術・・・勝ち続ける意志力」を書いた梅原大吾さんも同じかもしれない。
 
今の高校3年生で、「何をしたらいいか分からない」という生徒が多い現在の日本で、自分って何だ!?それが見えたら徹底してやってみる。その上で大学もそのために行く。自分自身が極めたいものそれが見つかると、自分でも研究を必死に行うし、他の人にも積極的に働きかけ生かそうとする。こんなことのきっかけを作るものが今言われている「探究」の一番の効用ではないかと思う。そしてそこで見つけた自分の得意分野を活かせるフィールドは、必ず存在すると思う。
「面白いと感じることを見つける」→「必死に徹底してやる」→「自分がやりたいことに関しては、人にも聞くし、あくなき求めが続く」→「自分の熱い想いを持続するために学び続ける」→「自分独自の道に行き着く」というつながりが発生するのである。そんなそれぞれの人の得意を持ち寄れば、一人でできないことも必ず実現可能となるはずである。
 
 
 
 
 

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