横浜創英中学説明会(小学校4・5年生生徒保護者対象)に参加して

2023年3月18日

横浜創英中学高等学校の説明会に参加する。
羽田に着いて、そのまま京急で、神奈川新町まで行く。雨がかなり降っていて、道を探りながらびしょ濡れになって20分以上歩きなんとか到着。JR大口駅からの道が一番近いようである。

<エピローグ> 先日の新渡戸文化でのイベントの際、朝イチで、到着するなり「久田さんですよね?」と横浜創英の横井先生に声をかけられてからのつながりで、前矢先生とも繋がった。 「工藤先生のオンラインでのカリキュラム改革の話を聞き、ぜひお会いし、お話をお伺いしたいとアポを取ったが日程が合わず諦めていました。」と前矢先生に話すと 「それなら今度18日に説明会がありますから、来られませんか?」と誘われたのである。「校長とも話せるかもしれませんし、カリキュラムのことなら本間副校長にも聞けます。」とのお返事 後日、連絡があり、「久田さんの席を確保しました」ということで、早速飛行機の手配をしたのである。 <3月18日説明会当日> なんと保護者、生徒で200名以上集まる会で盛況であった。入るなり、工藤先生出演のテレビ番組が流れている合間に生徒保護者が入場していく。誘導の先生方の対応がとても丁寧で好印象。 会場の後ろの方に用意された席に着くと、登壇者として前におられた工藤先生と本間先生と目が合い、ご挨拶。 最初は、工藤先生のお話。内容は、先日のオンラインの時と同じ資料であったが、やはり小学校4、5年生ということで少し気を遣ってのお話しであった。保護者には、その危機感等が十分伝わったであろうし、 子供達もなんらかのものを感じたと思う。 次が、本間副校長の話 先日facebookに挙げられていた話からされていたが、やはり、小学4、5年生に通じるかという気を遣いながら話されている。 カリキュラムの概要を話されていた。 そして、最後が広報部長先生からの入試の話という流れであった。
<説明会終了後>
山口さんと話していると、工藤先生と本間先生が寄って来られて、当日の感想や今日伺った経緯を話す。
その後校長室に行きましょう、ということでお話を3人で行なった。気がつけば2時間半以上話してしまっていた。

<校長室にて>
工藤先生、本間先生と、お話しする。(工藤先生とは、2019年の8月麹町中学の時以来の対面である)
さまざまな話に及んだが、
①カリキュラム改革
これは、現在マレーシア等諸外国では、子どもたちが自分に合わせて学校を選択できる仕組みがある。しかし、日本では、全く逆行する流れが存在するというところに疑問を持っていたため
今回の訪問の狙いは何と言ってもここである。
まず、
【現在の日本における課題】
・18歳を迎えないと大学に進学できない
 →16歳で高卒認定試験に合格しても大学受験はできない。
 →これの問題は何かというと,2年以上先の内容をもうできる能力があっても,日本では大学に進学できない。
(ちなみに,アメリカでは飛び級は40人に1人,一方日本では37万人に1人)
・飛び級制度を用いると,高校は中退扱いになってしまう
 →もう一度学びに大学に行きたいと思ったときに,高卒認定から受けなければいけない。
・高校での必履修科目が74単位ある。
 →1年で25単位程度とる必要がある。
 →1年で取るには余裕がなく,詰め込まれ,自分の学びたいことに時間を使えない可能性がある。

こうした現実に対して、横浜創英では、それに対応できるカリキュラム改革を2025年度から始動するというのである。
その具体的な
【対応するカリキュラムの骨子】
としては、以下の通り
1)自由選択
2)無学年
3)順番通りにやらない
根本には、例えば、英検2級を持った中学生に、アルファベットからやる必要があるのか?というようなことである。
・科目別に、どんどん先に進みたい子は、どんどん進めるようにする。
・自分がもっと「基本」をやりたい時には、自由に戻ることができる。
・そのことができる、単位認定などのやり方を整えると同時に
・単位数も必要最低限の単位数に限定して、実施。このことで、柔軟な対応を可能にする。
・この事により、「学年」という概念がなくなるわけである。
ここまでくると、教科書なんていらないのではないか?資料となるものをいろいろ教室や図書館に置いておきさえすれば・・・
と思えてくる。

こうした改革の前哨戦が既に行われている。それは、「プレゼンテーション入試」「ワークショップ入試」である。
これは、いわゆる成績は問わず、尖った子たちを集めるための入試である。
今年入ってくるプレゼンテーション入試を受けた子達は全員すごかったものの、その中から選ばれた子たちは、とびっきりすごいものを持っているらしい。
まさに入学者一人一人に合わせたカリキュラムがあるからこその入試形態とも言える。

【カリキュラムの自治体への供与】
こうしたカリキュラム改革に食いついた自治体(県)があり、完成してからと思っていたが、公開することに決めたそうである。
どこの自治体かは、聞けなかったが・・・・(神奈川県ではない)

【典型的な普通の学校からの改革】
以上のカリキュラム改革の話を聞いて最初に思いついたのが、米田先生がおられる関西学院千里国際中学高等学校である。
千里国際は、外国人や帰国子女が多くそれを受け入れやすいように、3期生にわけ、それぞれで、中1〜中3までが科目申告を行い
学年混じって授業を受けるやり方である。これはこれで、素晴らしいと感じていたものの
しかし、こうしたある意味、特殊な状況ではない普通の古い歴史がある学校で、実施するところに大きな意味を感じた。
これこそが、工藤先生が、日本の教育に発信する覚悟を見たように思った。
また、麹町と違い、私立だからこそができることに、相当な覚悟を持たれているということが伝わってきた。
結果として、6学年通しての学校故のできることを実現させようとされている。
しかも、1条校として、実現するところに意味があるというところに、熱さを感じた。
最終的には、今の高校からの入学者が多い状況を打破して、(高校定員を減らしてでも)中高一貫の体制を強化することによりさらに進めようとされている。
工藤さん効果かもしれないが、中学の人気がやはり上がってきていることからも実現できるようになってきているわけである。
その上で、
今まで言われてきた、「人間尊重と相互信頼を基盤として、平和で民主的な国家及び社会の形成者を育成することを目指す。」ということに関する実現の覚悟まで見えてきた。
それは、苫野一徳さんとの対話本を書かれる時に、苫野さんに言われた「期待と覚悟の言葉」の中にも現れている。

<教員集団のまとまり>
こうした改革に、最初に紹介した横井先生にしても、徳島の学校からやってきて、まだ本採用ではないのにプロジェクトのメインに据えられている先生や、
前矢先生のように積極的に進めようとしている先生方が集まってきている現状を感じる。
イキイキと仕事をしようということ考えている先生方が増えている気がした。その辺に気を遣っておられるのが、本間先生なのかなとも感じる。
工藤先生のリーダーシップの元、学校として、日本の中にある学校として何が今必要かというビジョンを発信すると同時に、さまざまな方が関わり
(山本崇雄先生は、なんと、今横浜創英に週のうち4日は来られているそうだ。山本先生の提案で、「英語を使って世界を変える取り組み」を試みられているらしい。)

対話を持って皆が、その覚悟を持った集団になりつつあるのが、大きな強みだと感じた。

https://www.facebook.com/profile.php?id=100086415131102

学校改革の促進

学校改革を通してメンバーが活きいきとする学校に変えてみませんか?
さまざまなご相談に応じます。

・探究的な授業を作りたい
・観点別評価のあり方
・「本質的問い」の徹底と学校のありよう
・生徒の成績をあげたい
・学校のビジョンを共有したい
・中学からどんなことを意識すれば、高校で大きく伸びるのか?
・保護者との連携を強化したい
・教員のやる気を引き出したい
・学校を組織として動かしたい
等々
オンライン相談もお受けします。1時間3,000円(問い合わせ欄にその旨記入ください)