昭和女子大学附属昭和中・高授業公開研究会(真下峯子先生と)

去る10月21日昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校にて行われた

「世界で生きる、自立した学習者になる」と題した授業公開研究会に、参加してきた。

【真下 峯子校長との出会い】
10年前に、埼玉県の校長会で当時松山女子高校校長として出会ったのが、現昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校真下峯子校長先生である。
10年前、私は、都立高校学校改革に従事していて、都立小山台高校・都立国際高校を担当した。
そんな時、埼玉県からの依頼で、「全国の学校改革について」話せる人に校長会で話してほしいという依頼が入った。
それに伴い、東京都の都立高校改革の話を中心に・福岡県・広島県・島根県・山口県の話を入れて話をさせていただいたのだ。当時、ICT導入が全国の一部で導入し始めていた時であり、「デジタル教科書協議会」に参加していた時でもあった。春日部高校が会場であったが、行ってみて最初に驚いたのが、当時有名だった、(今は公務員ではないが)公務員ランナーがなんと受付の事務室内に座っておられたことだった。びっくりしているうちに、春日部高校の校長先生に歓迎されて会場に向かう。そこでは、何校かの校長先生が、最近の取り組みについて報告があった後に、私の講演が予定されていた。その取り組みの発表の中で、「うちの教員は、毎日生徒のプリントに丸つけしている」「それはみんな一生懸命頑張っている」などといった話が話題に登っていたのを覚えている。
当時、ICT機器が神奈川の塾などで使われ始めていた時だったため、その事例を挙げて、丸つけだけなら機械がやってくれる時代が目の前に来ています。その機械の結果を見て、先生方は、生徒にどのようにアプローチしてさらにやる気を出させたり、疑問に寄り添うことに時間を多く割ける時間を、多く持てる時が目の前に来ていますよ。というようなことを講演の最初に言った覚えがある。
終わっての懇親会。刺身が並び、ビールもある。美味しそうであった。座った次の瞬間、「隣に座っていい?」と二人の先生に挟まれた。その二人が真下峯子先生と関根郁夫先生(のちの埼玉県教育長)であった。お二人とずっと話して盛り上がり話が尽きず、終わってみるとお刺身一切れだけしか食べれていなかったのに気がついた(笑)。

この時からお二人とは今でも続いている。今回真下先生にお礼のメールを出したら、とっても嬉しい返事が戻ってきた。「久田様にアタックしたのが県立の頃ですから少なくとも10年は立っているのですが、その実感がありません。」・・・・・と。私も全くその実感がなかったのである。まるで、先週あったように親しく、会えたのが嬉しくてたまらなかった。

【桐蔭学園大学 森学長講演】
この内容は、今度ある第3回高校学びフォーラムの予習ビデオと同じ内容であった(https://youtu.be/7QWr_G76YJ4)。しかし、youtubeで見るのと生で聞く違いは確実にあった。森さんの人柄が伝わってくる講演だったと言える。ただこの講演を会場にいる全国から来た先生たちだけでなく、教室で生徒が、保護者が家からzoomで見ているという状況。真下先生の「聞いている生徒たち!さあ始まるよ!」という挨拶も良かった。全てを公開しているのである。腹の座りが気持ちいい。こうでなくちゃいけない、ということは世の中にはないが、自分たちの方針ややり方を堂々と、至らぬところがあったとしても、まだ、完成してはいなくても公開する。これが私たちのやり方だから・・・と。こんなところが、非常に好感を持てた。熊本市の遠藤さんや、青翔開智の横井さんと同じものを感じる。

【スケジュール】
10:00~11:30    基調講演:桐蔭学園大学学長 森朋子氏
11:30~12:20    授業公開1)
(休憩)
13:10~14:00    授業公開2)
14:30~16:00    各教科授業研究会(*ファシリテーター有)
16:10~16:40    関連講演:メッツラー・アセット・マネジメント? 社長室長 隅田貫氏
16:40~17:10    ラップアップ:元 鴎友学園校長 吉野明氏
17:10~18:10    情報交換会

元 鴎友学園校長の吉野明先生は以前に、オンラインセミナーでご一緒し、終わってから夜遅くまでメールのやり取りをした中だったので、互いにリアルに会えたことを喜びあえた。

【授業公開】
当日、選んで絵面白そうなものを選ぶその結果、

授業公開1)は、中学教頭先生の粕谷尚彦先生実施(中3公民)「日本の景気」と「屋久島の景気」の状況判断に原因追及型のロジックツリーを用いて結果に至る理由(なぜ)を2度深堀する。結果は、jamboardを利用しグループでまとめクラスで意見交換。
1、屋久島の「今」を、日本の景気と照らし合わせ考察する学習を通じて、いかなる社会的事象も自らの学びの種としようとする意欲の向上を目指す。また、その考察時に「日本の景気」の状況を論理的に判断させ論理的思考をすることの習慣化を目指す。
2、主体的態度は、屋久島研修時の取り組み姿勢を3段階で評価
3、思考判断は、判断理由の深掘り回数により3段階で評価する。

授業公開2)は、藤田 円先生+jsmie先生による」古文を英訳してみよう(中3古典)。徒然草の冒頭を用い自分が理解できる自分なりの表現で口語訳を考えられる学習者を育てることを目的とする。
1、考えるツールとして他国の言語を媒介とし、自分が表現しようとしている内容は、どのような言葉使うべきなのかを考えさせる。
2、翻訳作業グループワークとし、ネイティブ教員に質問しながら、自分の考えが伝わる言葉遣い、表現を作り上げていく。
3、最後に各グループの表現を発表し、どの表現が作品の本質を捉えたものかを吟味する。
というものであった。

【情報交換会】
どちらに入るか迷ったが、言葉に対するこだわりを感じ国語に入る。

ファシリをやられた妹尾伸子さんは、その語り口に特徴があり、
優しいながらもその場をよくしたい。充実した議論にしたいという想いが伝わってきた。
先生のたちの話を聞いていると、果敢に挑戦している様子が見て取れる。自分がやっていることにベストは尽くしているものの、完成形だとは思っていないことが伝わってくる。

私が野依先生達と話したのは、国語のどの単元にも当てはまる「包括的な本質的問い」として
言葉としての日本語と英語の比較をもっと入れたかったという旨を話すと、
納得されていた。
現代文・古文には、主語がないケースが多い(シチュエーション言語のため)一方、英語は必ず主語が入る。徒然草にも主語がないのに、生徒は平然とIを主語としていたが・・・
・・・・WEなのかIなのかを考えて疑ってみると面白いと思ってしまった。
英語における語順は、重要な意味があるが、日本語は、語順にあまりこだわりがない。

じゃあ漢文は?みたいな話をさせてもらった。楽しい時間であった。

【懇親会】
コーヒーお茶菓子の懇親会。粕谷先生が司会であった。真下先生が、「久田さんほど熱い人はいない」と私のことを他の先生に紹介してくれた。
ここでなんと、ときわ松の田村先生と遭遇する。元大阪の常翔学園におられた方だ。バイタリティに溢れた方である。

【その他】

お昼の時は、昭和女子の久保先生が食事できるところを案内してくれて、
進路をやられている渡辺先生は、なんと、帰る時に三軒茶屋の駅まで近道を案内してくれた。なんと、素敵な先生方ばかりであった。

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