新渡戸文化学園中学のクロスカリキュラムを体験(中学生が大人と対話)

新渡戸文化中学の中学生の「自分が興味を持つもの」についての発表(クロスカリキュラム)に参加した。オンラインでズームのブレイクアウトルームを使って、ファシリテートする。しかも、大人と対等に話をする機会をオンラインで実施するということが非常に面白い取り組みだった(中学生が大人の前で発表する特別授業「ハピネスブリッジ」は、卒業までに「100人の大人につなぐ」計画の一部だという)。先日、NHKの番組でみた水曜日は1日中、「自分が興味あること」を調べ考え発表する。という取り組みの一つである。山本崇雄先生の「教えない授業」の核心部でもある。全体の授業時間の20%をこれにあてている(Googleの20%ルールを思い出す)。これを今日は、計3回のブレイクアウトルームで生徒5人と話をする。

1)最初の子は、画像処理・動画編集が好き!という子であった。この子は、いきなり画像処理のための筆の三つの特徴について述べ、これが描く効果が違ってくる。以上。というものだった。この子は、一体何に興味があるんだろう?という視線で見ていき、違う筆による表現のどこに拘っているのかを質問していく。繊細な違いがもたらすリアル感とその画像の出来栄え、そして、バランスに拘っておりその結果、筆へのこだわりにつながっていたことを話してくれた。さらに質問すると、画像や動画に入れるフォントにもこだわりがあり、「そんなことは、日常の中でも感じたりするの?」と聴くと、「はい、日常でも身近にあるフォントの使い方とかは、とても気になります。」との返答。身近な物事に対しても、全体のバランスを考えながら目を向けていることに行き着いた。「それば素晴らしいことだよ。」というと嬉しそうであった。

2)次の中1生二人は、①韓国アイドルが好き!「カムバックごとに髪の色を変えるのはなぜ?」「Liveの後にVliveをするのはなぜ?」と言いながら、調べたけどわからなかった。以上。途中遮ってはいけないかな・・・と思いながら「ちょっと待って、カムバックって何?Vliveって何」と聴いたら、その時すでにもう一人が、チャットで、「カムバック・Vliveを説明したほうがいいよ」と発表者にアドバイスしていたのは、素敵だった。もう一人は、②ダンスが好き!「ダンスは、いつ頃からあるのか?」ウィキュぺディアで調べました。以上。そこで、「ダンスの根源は、ベリーダンスにあると言ってたけどベリーダンスってどんなダンス?」と聴くとすぐに調べて、露出多めの女の人が踊るダンスです」と検索した画像をファイル共有で教えてくれた。「腰を細かく揺らすやつだね」と確認した上で、「どんな時あなたは、踊たくなるの?」と聴くと「音楽を聴いていていいなあと思ってると自然に体が揺れます。リズムを体で取ると踊ってます。」という。「ダンスでは頭から足まで一直線に保って、そこで腰でリズムを刻むと身体全体に踊りが広がるらしいよ。」というと「アイドルのダンスもそうですね」ともう一人が答えてくれた。「踊るのも踊りを見るのも好きなのは、そもそも踊りって、人間の根源的なものなんだからなんですね。だから古い時代から存在する」と最後に言ってくれた時は、3人とも嬉しくなっていた。「また、会いたいです。さようなら。」と言ってくれて非常にこちらも楽しくなった。

上述のように、プレゼン自体は1)も2)も非常にエッ!?と驚くほど短かくあっけなかったが、対話をするうちに少しづつ自分の内面、考えていること、感じていることを言葉にして話してくれた。次には、もっと素敵なプレゼンをやってくれるのではないだろうか。

3)最後のグループでは、①ゲームか好きな男の子と、②ダンスが好きな女の子。

①ゲームが好きな男の子のプレゼンは、アニメ・ゲーム・電車が好きだが、その中で「人に◯◯してくれてありがとうと言われるという観点からゲームを選んだ」「ゲームには、依存する人が多いが、そこには時間を定めてやる人とダラダラと時間を決めずにやっている人がいる。」以上。という状態なので、早速質問「◯◯してくれてありがとうってどういうこと?」「時間を決めてやっている人とそうでない人は、どれくらいの割合なの?」と聴くと友達とオンラインゲームで協力してやるときに相手が助けてくれた時という意味でのありがとうらしい。また、「時間を決めてやってる人が40%、そうでない人が60%くらいだと思う。」というので、「それは、どこのデータから言ってるの?」と聴くと、「なんとなく自分の感覚です。」とのお答え。相変わらずプレゼンとしては、今ひとつだが、ここからさらに質問していく。「君は、eスポーツとかに出たいとは思わないの?」と聴くと「僕は、飽きてしまって、ある時からもういいかなと思った。でも一度はeスポーツで優勝して賞金を得たいと思ったことはある」とのこと、「そう思ったのになぜゲームにはまらなかったのかな?」と聴くと「やっぱりゲーム自体は面白いから」という「作りたいなんて思わなかったの?」と聴くと「だってそれは大変だから思わなかった。でも楽しい。・・・質問に答えるうちに次第に自分がどうゲームを捉え、どのように感じ考えたかの過程を明確に話してくれた。

②ダンスが好きな女の子プレゼンで、最初にダンスの種類ってどれくらいあると思いますか?という質問を投げかけてきた。43種類もあるとのことこの質問は聴くものを惹きつけて非常に良い。ダンス、野球、空手が好きだが今日は人を楽しませるということで、ダンスを選んだらしい。その後43種類のダンス一覧を出して、以上。というプレゼンで、調べて一覧表にしてみました。という状態。こちらも質問をしたが、なかなかそっけない。しかも画面に顔を半分くらいしか出さない。マスクもしているのでよけいに表情が読みにくい。

この聞かれると答えるが、このそっけなさは、①の男の子も、ヘッドホンを外したり、席を外したりしていたので共通であった。そこで、二人にそれぞれの質問して、答えた内容についてもう一人の意見を求めるというやり方に急遽変更した。そうすると、相手の意見についての見解を話してくれるようになった。

※如何に生徒が考えていること、彼らが得た知識から考えてみる。何もなければ、知識を少し与えて、考えてもらいそれを言語化してもらうそのことで、こちらの提案でできることはないかを考える。考えていること自分が重きを置いていることを引き出すことで、「自分ってなんだ」を感じてもらう。そして更に考えたことをアウトプットしてもらうことで少しづつ明確にしていく。ことができるのは、とても楽しい久々の体験だった。いずれにしても中学生と対等に人間対人間として話をし、互いに作っていく自分も何かできるかもしれない。世の中を変えれるかもしれない。ということを自分を見つめることを通して思ってほしいとひしひしと感じた素敵なイベントだった。山本先生・奥津先生・村上先生ありがとうございました。

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